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レトロゲームの進化が見える!ニゴロ・楢村匠さんインタビュー
2013-08-30 14:48:54    作者:COMIDAY

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Takumi Naramura  楢村 匠
NIGOROのディレクター(兼グラフィッカー兼サウンド兼レベルデザイナー)。
2001年にMSX好きの開発者を集め制作した「La-Mulana」が海外で高い評価を受け、インディーズゲーム開発チームNIGOROを立ち上げる。
La-Mulanaは2011年に完全リメイクされWiiウェア・PCでリリース、2013年4月にSteamで販売開始。2012年12月に台湾にて開催された「2012台北遊戲App開發者 論壇」に講師として参加。2013年3月にGDCにて講演。



☆アマチュア時代はどのようなゲームがお好きですか?
学生時代、ネットをやるようになってMSXの話題を見てからレトロゲームで遊んでいました。同時にスーパーファミコンやPlayStationでRPGなどでも遊んでいましたが、ムービーや演出、ロードが長くなっていることに疑問を感じてから、徐々にゲームは買わなくなりました。


☆ゲーム制作に興味を示したのは、いつからのことでしょうか?
子供のころからです。子供のころに買ってもらったゲーム環境がパソコンだったため、パソコン雑誌を読んでいました。そこには自作ゲームやクリエーターのインタビューなどが多く、元々絵を描くのが好きだったので自然にゲーム作りに興味を持ちました。


☆GR3 PROJECTを結成した経緯を聞かせてください。
インターネットを始めてからMSXのゲームサイトを作りました。更新をがんばっていると結構有名なサイトになりました。そこの常連のMSX仲間とチャットをしているとき「ゲームを作ってみたい」と話すと、「一緒になにか作りますか?」と話が決まりまり、グラディウス風シューティングゲームを作ってみようということになりました。自分のMSXサイトに来てくれる人にだけ公開する予定だったのですが、1ステージだけ遊べる体験版を出したところ、多くの人の目に留まってしまいました。そこでもう1人プログラマを誘い、GR3 PROJECTとしてGR3専用のサイトを立ち上げました。


☆レトロゲームといえば普通の人はまずFCやPC8800などを思い出したのでしょう。しかし、あなたたちは「MSX風ゲーム」を作ろうと決めました。その原因を教えていただけませんか?
集まった仲間が全員MSXユーザーだったからです。PC8801などのパソコンは高価で、なかなか持っている子供はいませんでした。ファミコンは買わないが、パソコンだったら勉強にもなるから買ってもよいという理由で安いMSXを持っている子供は結構いました。そして、MSXユーザーはどうしてもファミコンを持っている子供にライバル心を持っていました。だからこそMSXを持っていた子供はMSXに愛情を持っていました。


☆最初の作品「GR3」は、「グラディウス」のオマージュ作品ですね。
そうです。MSXを持っていた子供たちにとって、ファミコンにはないゲーム、ファミコン版以上に出来のよいゲームをリリースしてくれるMSXコナミチームは伝説となっています。自分にとってグラディウスといえば、当然MSXのグラディウスだったのです。


☆オマージュ作品ですけど、カプセルとかの新たな要素が入ってきましたね。それは「続編」だから、ですか?
仲間にだけ公開する予定だったのでオマージュではなくクローンとして作りました。しかし私は何かを作るなら自分にしか出来ないものを作りたいと考えるので、ただのコピーにならないように考えました。遊んだ人が「当時のコナミが続編を出したらこんな感じになるだろう」と思えるような追加要素を考えました。


☆しかも一から十まで全部MSX風で作ってきて、こだわりが見えましたね。その時はまだ「進化したレトロゲーム」など考えたことはありませんか?
その時は単純にMSXでゲームが作りたかった夢をかなえているだけでした。どうすればゲームが面白くなるかと言う考えも持っていませんでしたし、ただコナミのMSXグラディウスの続編らしくしたいだけでした。絵や音楽はもちろん、ゲームバランスなどもMSXコナミっぽくなるようにしました。


☆「グラディウス」のオマージュ作品といえば、「CO2-PRO-」という同人サークルが作った「Garudius’95」や「KAMESIS」などが存在しました。楢村さんがそれをやったことがありますか?「GR3」に比べては、あなたはそれらの作品をどう思いますか?
他のグラディウスクローンはほとんど遊んだことがありません。今は公開を停止していますが、ネットのMSX仲間が作っていたグラディウスクローンをみて「MSX風グラディウスを作ってみたい」と思いました。


☆「ラ・ムラーナ」のモチーフやはり悪魔城ドラキュラだと思いますが、違いますか?ヒントになった作品、ほかにありませんか?
いいえ。MSXでコナミからリリースされていた「魔城伝説2 ガリウスの迷宮」のオマージュです。GR3の製作が終わり、次に何が作りたいかという話になりました。3人とも「ガリウスの迷宮」風のゲームを作りたいと言いました。私は「今度はコピーではなくオマージュ色の強いオリジナルにしたい」と言い、LA-MULANAを作ることになりました。LA-MULANAのゲームシステムは非常にガリウスの迷宮に似ています。武器がムチなのはインディージョーンズの影響で、主人公が考古学者なら武器はムチだろうと決まりました。


☆「ラ・ムラーナ」が「悪魔城ドラキュラ」とひとつ違うのは、「悪魔城ドラキュラ」は月下からARPGになったけど、ゲームはじめから四つ目か五つ目かのボスまで実際は一本道ですよ、バグ無し前提に。しかし「ラ・ムラーナ」ははじめから「どこにも行ける」感じです。当初はどうしてこのように作ったのでしょうか?
ガリウスの迷宮もそうでしたが、レトロパソコンゲームには自由に進められるゲームがたくさんありました。人によって進め方も変わりますし、一度クリアした人でも違う進め方ができます。ゲームスタート直後にゲームの世界に放り出される感じが大好きでした。


☆「ラ・ムラーナ」の醍醐味は謎解きの部分にあると思います。メッセージと手がかりは各エリアに散らばっていて、それを整理して謎を解くのは非常に面白いだと思います。しかし謎を解くために常に同じエリアで出たり入ったりする必要があります。それでも「作業プレイ」の感じはまったくありませんでした。あなたたちはどうやって、この「謎解き作業」の過程をこんなに面白く作ってきたのでしょうか?
自分のゲームの作り方の1つに、どうやってプレーヤーを驚かせるかという考えがあります。ゲームの後半に最初のほうのステージとつながったり、最初のステージにあるアイテムが後半にならないと取れなかったり、スタート直後では絶対に勝てない敵が近くにいるというアイディアは多くのレトロパソコンゲームを参考にしました。ヒントも同じように、最初は意味がわからなかったヒントが後々意味がわかるようになるものを、プレーヤーを驚かせたくて考えました。当然、同じ場所を何度も出入りするので「作業プレイ」にならないように考えました。ステージに変化を付けたり、移動が素早く行えるようにしたり(聖杯ワープ)、倒すのに手間のかかるザコ敵をださないようになどです。


☆これについてもうひとつ聞きたいことがあって、「ラ・ムラーナ」にて謎の仕掛けは複雑で文字と情報量は膨大ですが、デザインは全部楢村さんが担当したのでしょうか?
すべて私がやっています。グループで作っているので、メンバーから良いアイディア、私には思い浮かばなかったアイディアが出た場合は取り入れています。あと、プログラマ2人に1つずつステージのラフデザインを任せています。


☆シカン文化を知る人があんまりいないかと思っていますが、どうしてそれをモチーフにして世界観を築き上げたのでしょうか?
アマチュア時代に作ったオリジナルのLA-MULANAではグラフィックの表現力もあり、あまり細かく世界観を決めていませんでした。「全ての文明はLA-MULANAが起源」という設定にするために、1つのステージに2つ以上の文明様式をミックスして考えました。リメイクするときに、グラフィックをグレードアップするならば細かく設定を決めなければならないと思い、世界の文明を調べて組み合わせました。組み合わせ方も、実在の文明がLA-MULANAのどのステージから生まれてどの土地に伝わっていったかも決めてからミックスする文明を決めています。


☆GR3 PROJECT時代の作品は全部フリーソフトですか?完成度高いし同人ゲームのようにパロディ精神満々だし、コミケに出たら良かったなと思いますが…
作ったゲームを売るという考えはありませんでした。ただ、ゲームを作ってみたかったという夢をかなえたかったのと、それを遊んでくれる人がいればいいと思っていました。当時、日本ではこういう考え方のゲーム製作者が多かったと思います。


☆何度も聞かれたと思いますが、ニゴロを立ち上がった経緯を教えていただけませんか?
仕事よりも趣味のゲーム制作の方が自分の力を発揮出来ていましたし、熱心でした。さらにLa-Mulanaが広く高く評価されているのを見て、ゲーム作りを仕事にしないかと仲間を誘いました。ネットが普及してゲームをダウンロードで買うことが当たり前になるとも予想していました。


☆GR3の作品は結構影響力があると思いますけど、いきなりFLASHゲームを手掛け始めた理由はなんですか?
NIGOROになってから運営を行うメンバーが一人増え、まずNIGOROの知名度を上げる為に無料のFlashを幾つか出さないかという案が出ました。おかげで知名度も上がりましたし、国内外の会社からゲーム制作の仕事ももらいました。


☆失礼かもしれませんが、「DEATH VILLAGE」を遊んだ時とても日本製ゲームとは思いませんでした。もしかして「DEATH VILLAGE」が誕生した前に、あなたたちはもう「世界のゲーム」の創作を意図し始めたのでしょうか?
誰でも遊べる無料のFlashゲームということで、当然海外でも通用するように考えました。特にグラフィックは日本だけで好まれるようなものにならないように考えました。後々ゲームを販売するならば、海外でも販売するべきと考えていました。


☆足が高速回転して床の隙を越えたり、扉にぶっ飛ばされたり、アメリカアニメみたいに発想がすごい。しかし一切説明なしのため、何度も試さないと扉などをどう利用するのかまったくわかりません。「説明しない」の狙いは何ですか?
レトロパソコンゲームでは操作やルールが複雑なのでゲーム説明書を読むのが当たり前でした。説明書を読むことも楽しみでした。私も同じように考えていて、Flashゲームのページに説明を書いておけばいいだろうと考え、ゲーム内での説明が不十分になっています。Flashゲームを楽しむプレーヤー層は手軽に遊べるものを好むということを知らずに作った為です。この反省を元に「薔薇と椿」を考えました。薔薇と椿では操作もルールもシンプルに、最初のステージではガイドも表示されます。


☆「薔薇と椿」は「格ゲー」として宣伝されたのですが、伝統意味の格ゲーではないような気がしますけど…
Death VillageがFlashゲームにしては複雑すぎたことを反省して、マウスの操作だけで遊べるゲームとして考えました。目的もシンプルに、でも挑戦のしがいがある設定は何がいいかと考え、1対1の戦いにしました。マウスアクションとして作ったので格闘ゲームとは思っていませんが、設定は格闘ですね。


☆ゲームのコツはなんですか?
マウスを動かすことがそのままゲーム内の動きにシンクロするものは何だろうと考え、マウスを横に動かす=ビンタをするというアイディアを思いつきました。コツはいかにマウスを素早く正確に同じ動作を繰り返すことが出来るかですね。


☆テーマは「女たちの家庭政治」ですが、邪推したら力技で次々とボスを倒したのは少年マンガの展開ではないですかと、そうではありませんか?
それは私が少年マンガを読んで育ったからでしょう。設定は女性の戦いの世界と決まりましたが、ストーリーを考える自分が少年マンガに影響を受けていたのであのようなゲームになりました。


☆ラスボスはもはや人外ですが、女は平手でバケモノと戦うのはとても面白いと思います。そのアイデアが誰が考えたのでしょうか?
私です。ビンタをするゲームと決まった後、設定を考えました。常々、ドラマやアニメなどで女性同士の喧嘩は何故1発ずつビンタを繰り返すのかと不思議に思っていました。そこから女性が交互にビンタを繰り返すと言うアイディアを思いつきました。


☆「捲り番長」というちょっと危ないゲームを作るきっかけはなんですか?
プログラマから出た企画書が元になっています。元の企画ではマップ上を歩いて女の子を捜して歩くというアドベンチャーのようなものでしたが、薔薇と椿同様、Flashゲームとしてシンプルに、手軽に、ゲームのアイディアを1つに絞るべきと考え、私が企画しなおしました。


☆どうして音ゲーみたいの形で作るのですか?
最初はもっと音ゲーみたいでした。番長の上と下を次々と女の子がスクロールしていき、タイミングよくカーソルの上下を押すという企画でした。メンバーの1人から「どうせスカートをめくるのならマウスを下から動かしてめくりたい」という要望があり、あのようなゲームになりました。


☆「バウンスショット」はギャラクシアンとブロック崩しが「合体」で、「ミラクルウィッチ」は魔女っ子ゼルダですか?確かに「進化したレトロゲーム」の感じですね。
この頃から「進化したレトロゲーム」を意識し始めました。ゲームの規模が大きくなっていき、ギャラクシアンやブロック崩しのような単純なゲームがリリースされることがなくなってきていました。昔は新たなゲームジャンルを生み出す為に違うジャンルを組み合わせるということがよく行われていました。そこで1画面シューティングとブロック崩しを融合させるというワンアイディアだけで作ったのがバウンスショットです。ミラクルウィッチもハイドライド(有名なレトロパソコンゲーム)や初代ゼルダのようなゲームを、当時は4方向にしか動けなかったものをマウスで自在に操作出来るようにしたものです。RPGはほとんど3Dになってしまいましたが、2Dだからこそ「壁の向こうの敵が見える」という要素が楽しめると考えています。このように、2Dゲームには独特の良さがありますし、まだまだ進化出来るはずだと考えています。




☆「ラ・ムラーナ」リメイク版は、レトロ感が薄くなってきました。それは客層のことを考えた後で決めたのでしょうか?
最初のオファーではMSX風のままWiiWareに移植でしたが、私が最初に断りました。Wiiで遊ぶ人がMSXを知っている(愛している)かは分かりませんし、なによりせっかくNIGOROとして新しくスタートしたのだから古いものを模して作ることはもうやめたいと思っていました。しかしMSX風のLa-Mulanaを応援してくれた人のためにも、La-Mulanaのもつ楽しさ、雰囲気は変えずに最新のゲームとして生まれ変わらせようと考えました。


☆経験値システムを削除した原因はなんですか?
経験値のシステム自体がオマージュ元である「ガリウスの迷宮」そのままだったからです。経験値がたまると体力が回復するというルールも始めて遊ぶ人に伝わりにくいのではと考え、敵が落とすものを集めると回復ボーナスというシステムに変更しました。そのわりにはソウルメーターの説明がゲーム中にありませんが、これは地上や導きの門を遊んでいるうちに自然に気づくように落とす量を調整しています。分かりやすいシステムにしたいとは考えましたが、文章で説明するルールを増やしたくなかったからです。


☆楢村さんは「間が命」に対しての理解が深いということはよく知っています。たとえばエデンのところはまずプレイヤーに楽園のまぼろしを見せて、その後に過酷な「真実」へ変貌した時に誰でも落ち着かない状態になるのでしょう。今振り返って自分の中の「プレイヤーの感情を激しく上下させる名場面」を選んでください。
エデンの変貌ももちろんですが、シユウ戦後の落下するシャンデリアでしょうか。これらはもちろん「何秒後に落ちてくるのがベストか」というような調整を何度も行っているんですが、落下するシャンデリアはプレイ動画を公開している人全員が大絶叫しているのを見て、「ここがベスト」と思うようになりました。


☆「ラ・ムラーナ」リメイク版には、高い場所から落ちると転倒するとか、ポースボタンで小杉さんが御飯食べたり寝たりするとか、細かく作った部分があります。一目見たらどうでもいい演出だと思われるかもしれませんが、どうしてこんなに丁寧に作ったのでしょうか?
ゲームの主人公は遊ぶ人の分身であるべきと考えています。主人公キャラが頻繁に台詞をしゃべると、プレーヤーが思ってもいない行動をとらされたりすることがあります。ゲームの主人公は作り手が性格や台詞を決めつけるのではなく、遊び人それぞれが想像して自分だけの「ルエミーザ博士像」を持てばいいと思っています。しかしある程度は作り手として「博士はこんな人」というのを伝えたいので、台詞をしゃべらせるのではなく「こけた時どうするか」「何をして一休みするか」などをキャラの動作として仕込んでおけばある程度「ルエミーザ博士像」をしぼりこむことができます。


☆村長さんは普段はガイドサボったり詐欺メール送ったり、胡散臭いジジイですが、その正体を知ってそして超絶演出を拝見した時、「まさかダース・ベイダーが父上だったとは!」の感じで、びっくりしましたよ。中国でも村長を気に入ったプレイヤーが多いので、あなたたちはどのような思いを込めてこのキャラを作りだしたのか、ちょっと聞かせていただけますか?
主人公や父親が台詞をしゃべらない分、台詞でストーリーを進めたり説明をする役割を全て長老に任せています。そのため、カッコいいシーンを見せることもあり、ふざけたメールを送ることもあります。テキストを書いている私があまり深く考えずに台詞を考えています。メールと言うシステムを長老にやらせようと決まってメール内容を考え始めた時、「どんなメールがきたら面白いか」ばかり考えてその場の思いつきで書いているので、定まりのない人格・性格になってしまっています。ある意味、長老が私の性格に一番近いのかもしれません。


☆地獄をクリアしたおまけは、まさかセクシーブリーフだったとはな。それが一応、ニゴロスタイルのユーモアか?それとも趣味、ですか?
最近のゲームではゲーム内に隠しダンジョンがあるものが増えました。クリアすると強力なアイテムが手に入ったり、特別なエンディングを見ることが出来たりなど、見返りが大きいものがほとんどです。しかしそうなるとプレーヤーとしては「やらないと損をする」と考えてしまいます。上級者がさらに長く遊ぶ為に用意された追加ダンジョンを無理矢理やらされるようなものですから、ゲームにうんざりしてきて、最悪そのゲームを嫌いになりかねないと思います。現に私はPlaystationのRPGなどの隠しダンジョン、隠しシナリオなどはほとんど挫折しています。ここまで「やらされる」と楽しさを感じなくなってしまうからだと思います。なのでLa-Mulanaの追加ダンジョンは「見返りは何もないから、本当に遊びたい人が挑戦してください」と何度もゲーム中で断ってあります。


☆石碑に隠し言葉や暗示みたいなものが多いので、翻訳作業はきっと大変でしょう。
翻訳は私がやっているわけではないので分からないですが、翻訳担当者に設定や言葉の意味、文章の中に隠してある本当のヒントなどを伝えるのはとても大変でした。毎回翻訳で困るのは日本語の「だじゃれ」です。日本語ならではの言葉遊びをどう翻訳してくれるかが気になっていました。


☆「ラ・ムラーナ」リメイク版に点数を付けたら、何点となりますか?
当然、自分が100点と思うものを遊んでもらいたいと思いますが、長い間待たせてしまったことや、後から気づいた失敗点などもあるので85点ぐらいでしょうか。


☆インディーズゲームの発展は、ゲームを創作する人に何か影響あるいは特殊な意味がありますか?
ゲーム業界からはあまり注目されていないように感じます。しかし、大手のゲーム会社からはリリースされない様なものが出てきたり、既存のゲームマーケットとは別のところで盛り上がりがあればより発展出来ると思います。ゲームは小説、映画、漫画などとならぶ芸術文化だという人がいますが、芸術文化として育つ前に商品として成立しすぎてしまったような気がします。小説、映画、漫画では自主制作や趣味での活動も広く認識されているし、それを紹介するメディア、販売する場所も多いです。しかしゲームはゲーム機で動かないものはほとんど紹介されることがありません。PCゲームでも紹介されるのはビッグタイトルばかりです。インディーズゲームがもっと盛り上がり、多くの人が目にすることが出来る場所やメディアが登場してこそ、芸術文化として様々な作品が作られるのではないかと思います。


☆同人ゲームには、単なるほかのゲームを踏襲する部分が多い、それでも良いですか?
我々も元々、模倣から始まっているので否定はしません。模倣と言うのは我々NIGOROが今一番苦労している「知名度」や「アイディア」の部分をパスすることが出来ます。ゲームを作るのは大変なことなので、模倣だろうが版権利用であろうがゲームとしての面白さ、完成度が高ければ評価されるべきとも思います。しかしゲームを芸術と考えるのであれば、模倣などもってのほかです。私はゲームを立派な文化だと考えていますから、苦労はしてもオリジナル作品を作り続けたいと思います。


☆ゲームを作るには、やっばりもっとも重要なのはスタイル、あるいは特徴付けですか?
独特なスタイルでも美麗なグラフィックでもいいですが、とにかく「プレーヤーを興奮させること」だと思います。「自分で操作する」からこそ得られる興奮というものを大切にしなければならないと思います。アクションゲームで長い会話をボタンで送るだけの長いデモなど誰も望んでいないですが、読み進めるだけで興奮が高まるほどの素晴らしいストーリーならプレーヤーはボタン送りだけでも興奮するはずです。漫画のセオリーでは、ページをめくった次のコマで読者を驚かせるというものがあります。我々が作っているのはゲームですから、コントローラーを操作したことでプレーヤーに何かを与える方法を考えるべきです。


☆AVGとRPGには簡単な制作ソフトが存在したが、アクションゲームにはそういう初心者向けなソフトやツールなどがありますか?
一応あるようですが、知名度も完成度も低いです。アクションゲームはジャンプ1つとっても操作や感覚がゲームによって違ってしかるべきなので、「誰が作っても同じジャンプになる」ツールでは意味がないと思います。


☆「マインクラフト」は中国のゲーム創作者に大きな影響を与えました。あなたはこのゲームをどう思いますか?
Second Lifeでもそうでしたが、人は自分の力でモノを完成させることで快感を得られます。これは国や人種や年齢を問わずそう感じるのでしょう。今ではマインクラフト内で作ったものをネットで公開することも出来ます。クリエイターのみが味わえると思っていた「達成感」と「評価」が誰でも得られるのですから、世界で遊ばれているのも納得です。


☆今後に何か挑戦したいテーマがありますか?
いつかはRPGを作りたいと思っています。日本のRPGはもうダメだという人が多いですが、レトロゲームにはまだ進化の余地があるのと同様にJRPGにもまだ可能性が残っていることに挑戦してみたいからです。


☆中国の創作者にアドバイスをお願いします。
ぜひ日本でも遊べるゲームを作ってください。我々も各国への翻訳に苦労していますが、違う国に住む違う感性を持った人達が作るゲームというのはどんなものだろうかと期待しています。絶対に日本からは生まれない面白さがあるはずだからです。そんな素晴らしいものが言葉の違いだけで楽しめないのはもったいないことです。


☆最後にファンのみんなさんにメッセージを。
インディーズゲームクリエイターとしてお金を稼ぐのはとても大変でいつまで続けられるかわかりませんが、私はゲームを作り続けることはやめないでしょう。これからも常に面白いものを発表したいと思っていますので、ぜひ遊んでください。